コラム

2021/12/13

電子カルテのメリットデメリットを紹介!産婦人科に導入する利点とは

電子カルテのメリットデメリットを紹介!産婦人科に導入する利点とは

産婦人科では10年前から施設当たり分娩数が漸増しているため、「業務効率化」というメリットから電子カルテが注目されています。

電子カルテを導入する際は自院の課題を解決できるものを選ぶ必要があり、製品ごとの特長を正しく認識したうえで比較検討しないと、導入後の業務に影響を及ぼしかねません。

そこで今回は、産婦人科で電子カルテを導入するうえで知っておきたいメリットやデメリット、選ぶポイントについて紹介していきます。

【目次】

 
           

産婦人科に電子カルテを導入する5つのメリット

まず、産婦人科に電子カルテを導入した場合のメリットについて解説します。

業務効率の向上

電子カルテはこれまで手作業で行っていた作業を自動化してくれるため、大幅な業務効率化が見込めます。

例えば、外来と入院のカルテを一元化し、手間のかかる転記作業を減らすことができます。

また、診療時のカルテ記載も、セットやテンプレート、自動転記などを活用すれば、記録にかかる時間や負担を大幅に減らすことも可能です。

さらに、予約システムやレセコンとの連携で、受付業務の負担軽減も期待できます。

人的ミスの軽減

カルテ記載や会計などの軽微な誤りであっても、修正や確認で時間や手間を食ってしまうため、人的ミスを軽減することも大切です。

電子カルテのデータは患者ごとに一括管理され、入力も自動化できるため、カルテの記載ミスを大幅に減らせます。

また、薬品選択や薬効検索、既定の容量表示も可能なので、薬の処方を誤る可能性も低くなります。

レセコンとの連携で会計ミスの防止も可能です。

スムーズな情報共有

電子カルテは院内の複数のパソコンから同時に編集や参照ができ、更新内容がリアルタイムで反映されるため、診察室の医師、詰め所の助産師、カウンセリングルームの看護師との間で速やかな情報共有を実現できます。

紙カルテのように、自分のところに回ってくるまで業務が滞ることもないため、スムーズな連携が可能です。

さらに、分院設立時や他の医療機関と連携する際にもカルテの移動がないため、スピーディに対応できます。

省スペース化を実現

電子カルテならカルテ棚が不要になるため、スペースの有効活用ができます。

外来・入院カルテも一元管理し、パルトグラムや助産録、病歴・既往歴などもすべて電子カルテに集約可能。

院内に電子カルテ用のサーバーを設置する場合でも、普通のデスクトップパソコンくらいの大きさなので、カルテ棚より省スペースで済みます。

患者満足度の向上

電子カルテを活用することで、患者の満足度向上も期待できるでしょう。

例えば、院内での情報共有やレセコンとの連携で受付や会計がスムーズに行われると、患者の待ち時間を短縮できます。

診察時は電子カルテの画面を見せながら説明することで、わかりやすく円滑なコミュニケーションをとれます。

ほかにも担当医師が変更する場合でも、電子カルテがそのまま引き継がれることで、患者に安心感を与えることができます。

電子カルテの導入や運用に関する4つのデメリットとは?

次に、電子カルテの導入や運用でのデメリットについてみていきましょう。

導入や運用にコストがかかる

初期費用がかからないタイプもありますが、一般的に初期費用と月額料金が発生します。

オプションやサポートを追加すると、プラスの費用がかかる場合もあります。

操作に慣れが必要

電子カルテはパソコンで操作するため、扱いには多少の慣れが必要です。

パソコンをまったく操作できない、または操作が苦手なスタッフがいる場合は、導入や運用で難渋するかもしれません。

運用体制の見直し

電子カルテを導入することで、これまでの慣れ親しんだ運用方法を変更しなければならないケースも考えられます。

例えば、人によってカルテの書き方にばらつきがある場合は、統一したフォーマットを定める必要があります。

また、各種帳票も電子カルテに対応したものに変更しなければいけません。

システムダウンや個人情報の流出リスク

停電や通信障害により電子カルテがシステムダウンしてしまうと、復旧まで診療できなくなる可能性もあります。

また、ネットに接続する場合は、個人情報の流出などのリスク対策も必要です。

電子カルテはクラウド型・オンプレ型でメリットが異なる

ここまで電子カルテのメリット・デメリットについて確認してきましたが、電子カルテにはクラウド型とオンプレ型の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。

そこで両方の違いを比較してみました。

クラウド型電子カルテとオンプレ型電子カルテの違い

電子カルテは、データセンターのサーバーに接続するクラウド型と、院内に設置したサーバーを使用するオンプレ型(オンプレミス型)の2種類あります。

病院の診療形態や運用方法に合わせて選びましょう。

費用

クラウド型は導入費用がかからず、低額な月額料金だけで運用できる魅力があります。

ただし、導入前の操作研修やサポートサービスは別料金で対応するところがほとんどです。

一方、オンプレ型は病院に合わせてシステムを組んだり、専用のサーバーやレセコンを用意したりするため、導入時の費用が一般的に高額です。

また、メーカーによっては5年ごとにパソコン一式の買い替えを求められる場合もあります。

システムダウン対応

万が一、システムダウンした場合の対応にも注目しましょう。

クラウド型はデータセンターにカルテの情報が保管されているため、パソコンが故障してもデータが消失することはほぼありません。

ただし、データセンターでの障害に対しては打つ手がありません。

オンプレ型もサーバーの電源が落ちる可能性はありますが、自家発電装置を用意しておけば停電時でも運用できます。

さらに、無停電電源装置(UPS)を設置すれば急に電源が落ちた際でも、安全にデータを保存する時間を稼げるので、データの消失を防げます。

個人情報の流出リスク

クラウド型はインターネットに接続して使用するため、ハッキングや個人情報の流出などに対するセキュリティ対策は必須です。

一方、オンプレ型は院内で完結するネットワークを構築すれば、外部からの侵入や情報流出を物理的にシャットアウトできます。 

院外での利用

クラウド型なら、外出中でもその場で電子カルテを利用して適切な指示を出すことができます。

例えば、オンコールのスタッフにも、到着を待つことなく現状をシェアすることが可能です。

一方、オンプレ型は院内でしか使用できないため、対応までに時間がかかる場合があります。

このようにクラウド型とオンプレ型でそれぞれ特徴は異なるため、よく検討したうえでどちらの電子カルテにするか選びましょう。

 
           

産婦人科用の電子カルテを選ぶ4つのポイント

電子カルテを選ぶ際にはクラウド型かオンプレ型か選ぶ必要もありますが、ある程度選択肢を絞るには、次の4つのポイントから総合的に判断するといいでしょう。

拡張性

産婦人科の電子カルテはエコーなどの検査機器やレセコン、予約システムなどとの連携が必須です。

なるべく拡張性の高いシステムを選んでおくと、既存のシステムはもちろんのこと、将来的に導入が見込まれる機器やシステムともスムーズに繋がり、長く使い続けられるはずです。

操作性

日常の業務で使用するものなので扱いやすさは大切なポイントです。

電子カルテの使用が想定されるスタッフ全員で、事前にデモンストレーションを確認して意見を出し合いましょう。

シェアの高さ

電子カルテのシェアの高さに注目するメリットは信頼性だけではありません。

日本ではまだ標準モデルとなる電子カルテがないため、シェアの高いモデルを選べば他の医療機関でも導入している可能性が高く、連携が取りやすくなるでしょう。

安定性

運用中のトラブルはなるべく避けたいため、安定性も重視したいポイントです。

検討している電子カルテを実際に導入している施設があれば見学をお願いして、動作の安定性をチェックしましょう。

また、トラブル発生時のサポート体制についても確認できると安心です。

まとめ

産婦人科の病院数は年々減少している一方、施設当たりの分娩数は増加しているため、電子カルテによる業務効率化は有効な手立てとなるでしょう。

複数の端末から同時に編集や閲覧ができるため、院内での情報共有がスピードアップするなどのメリットがあります。
 
ただし、最低限のパソコン操作スキルや運用にコストがかかるという点は踏まえておきましょう。

また、クラウド型とオンプレ型の電子カルテで特徴が違う点にも注意が必要です。
 
また、電子カルテを選ぶ際には、拡張性・操作性・シェアの高さ・安定性といった点に注目すると絞りやすくなるのでおすすめです。

 
 

産婦人科・不妊治療施設向け
タック電子カルテシステムDr.F

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